諸外国におけるプログラミング教育に関する調査研究」が262ページもあり、分からない人には全然分からないので、解説するシリーズ、第9弾ハンガリー編であります。
 
 
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過去回はこちらからご覧ください。↓
文部科学省が調査した海外のプログラミング教育に関するレポートが長くて難解なので、分かりやすく解説して見ます。(英国編)
【海外事情第二弾】1991年に独立したエストニアはスカイプを生んだ国!教育も進んでます!
【海外事情第3弾】フランスのプログラミング教育についてまとめてみました。
【海外事情第4弾】ドイツのプログラミング教育の現状はなんだか日本の現在と似ていました
【海外事情第5弾】教育で世界トップのフィンランドでは、プログラミング教育をどう捉えているのか?!
【海外事情第6弾】イタリアでも推進中のプログラミング教育!
【海外事情第7弾】スウェーデンはICTリテラシーを読み、書き、計算に次ぐ、4番目の基本スキルと考えています!
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今回登場するお国は「ハンガリー」です。
 
 
最近テレビで見たのですが、名前の表現の仕方が日本と同じく「姓 名」だったり、学校の授業で「そろばん」を習っていたり、温泉文化(!)があったり、どこか日本に通じるものがあるハンガリー。
 
 
グーグルマップさんで見るとハンガリーは内陸にあるようですね。中央ヨーロッパ。
四方を他国で囲まれているという、日本とは違う環境の国土です。
 
大陸の中央に位置する位置するという事は他国との交流も盛んなのでしょうか。
 
 
【ハンガリー人の発明品について】

 
 
こちらの動画を見てみると、ハンガリー人の発明品についての紹介がされています。
とても多いですね!
プログラム内蔵コンピューターなど、生活に身近な発明が多いように感じます。
 
 
発明家が多い印象のハンガリーですが、子供たちへのプログラミング教育はどうなっているのでしょうか。
早速見ていきましょう。
 
 
ハンガリーでは2003年に「Informatika」というIT活用事業を開始。
ネット検索やペインティングなどのIT利用を小学生に教えています。
 
2003年から開始とは早い!!
2020年から必修科目にしようとしている日本とはすでに差が開いていますね。
 
 
この「Informatika」の特徴として
 
1.ITツールの利用法
2.アプリケーションの知識
3.問題解決のツールとテクニックとしてのIT
4.21世紀におけるインフォコミュニケーション
5.情報社会
6.図書館情報学
 
という6つの分野から構成されているそうです。
 
 
ツールの知識や利用法、現代社会での情報の立ち位置などなどですが、最後の図書館情報学とは何でしょうか。
気になるので1つ1つ詳しく見ていきましょう。
 
 
1.ITツールの利用法について
「キーボード、モニターと言った周辺機器及びファイル、フォルダも含めたコンピューターに触れていく上で基礎となる概念を追う」(原文)
 
 
これは初歩の初歩のようですね。初めてコンピューターに触れる子供たちにとっての基礎を作っていこうという感じでしょうか。
 
とりあえず触って慣れてみて~というよりも一つ一つ丁寧に教えていこうという事がうかがえますね。
 
 
2.アプリケーションの知識について
「OS、ソフトウェア、アプリケーション等の知識とそれらを用いて各種ドキュメントを作成する」(原文)
 
 
OSとはOperating Systemの略で、基本ソフトウェアとも言いますね。Windows、iOSなどが代表です。
ニュアンスは違うかもしれませんが、PCの核の様なものです。
 
 
ソフトウェアとは基本ソフトウェアと、特定の作業を行うために使用されるソフトウェアに分かれていて、基本ソフトウェアは先ほど説明した通りですが、後者のソフトウェアは別名「アプリケーションソフトウェア」と呼ばれています。
略してよく聞く「アプリ」です。
 
 
アプリの例としては「ワード」、「表計算ソフト」、「電子メール」などがあります。
(一部IT用語辞典BINARYより)
 
 
幼いころよりこれらの知識を身に付けて簡単なものを作れるようにする、という事らしいです。日本では大学1年生でこれらの使い方を教える授業もあるぐらいですから、それと比較すると、早い段階から触れさせることには大きな意義があるように思えます。
 
 
3.問題解決のツールとテクニックとしてのITについて
「3においては2のもととなるアルゴリズム、モデル化、データの取り扱い、プログラミングなどを学び、各種問題解決にあたる」(原文マ)
 
 
なんか急に難しくなりました。
1~6のそれぞれの内容や授業数は学年により異なっているそうですが、いきなり専門的になったように感じがします。
単語を1つ1つ見ていきましょう。
 
 
アルゴリズムとは「物事を進める手順、特に問題を解くための手順のこと」です。
例えば皆さんが良く使用するであろう計算機は、一定のアルゴリズムをプログラムによって記述していて、そのアルゴリズムに従った処理(計算)を実行することが出来ます。
 
アルゴリズムとは、手順の事です。
(一部IT用語辞典BINARYより)
 
 
モデル化とは「業務を効率よく行うために、現状を調査し収集したデータをもとに、データと処理の流れを図式化したもの」です。
情報をまとめて具体的に図にして、視覚的だったり直感的に流れをわかりやすくしようよ、といった所でしょうか。
(一部コトバンクより)
 
 
これらを駆使してソフトウェアやアプリをより理解したうえでプログラミングなどを学びながら、問題解決能力を高めていこうね、という意味合いと思われます。
 
 
この知識を小学生や中学生にわかりやすく教えるためには、いったいどのように伝えていくのでしょう。
教える側の技量も問われそうですね。
 
 
4.21世紀におけるインフォコミュニケーションについて
「インターネット及び各種サービス」(原文)
 
 
インフォコミュニケーションとはなんぞや、と思った方もいるでしょう。
これはICT(Information and Communication Technology)のことです。
 
 
情報、通信に関する技術の総称のことで従来からのITにとって代わる言葉として使用されているようです。
これからの時代はITではなくICTと言われるでしょう。(意味はほぼ同じ)
技術の活用に重きを置いている言葉のようですね。
 
 
5.情報社会
「セキュリティや著作権などの社会との接点」(原文マ)
 
 
最近特に問題視されているセキュリティ面です。
企業の情報を守る社会人としてのマナーとしてのセキュリティから、無線LANシステムを通してのサイバー攻撃による破壊からインフラを守るためのセキュリティまで、もはやセキュリティの重要性や手法を学ぶというのは必須科目なのではないでしょうか。
セットで学びたいですね。
 
 
セキュリティについてはNHKクローズアップ現代+さんが特集を組んでいる記事があります
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3221/1.html
 
 
著作権問題は映画や音楽の違法ダウンロードがよく挙げられます。
その映画会社や歌手たちの収益や経営を脅かす問題をはらみますので、しっかりと教育してほしい点です。
 
 
6.図書館情報学
「図書館関連の知識を学ぶ」(原文)
 
 
図書館、良いですよね。
僕は好きです。知識が詰まっている感じで。
たまたま歩いて、偶然目についた本との思いがけない出会いは、新たな自分の興味が知れたようで嬉しくてたまりません。
 
そんな図書館関連の知識を学ぶことも「Informatika」の中に含まれているのですね。
 
 
プログラミング教育では、「3.問題解決のツールとテクニックとしてのIT」において、論理的思考、アルゴリズム化、基本的な一連の手続き及び制御構造を学び、実際にコンピュータプログラムを作成しテストするそうです。
すごい取組を行いますね!
 
また、異なる分野の問題や現象をプログラムを用いて学びシュミレーションし、アルゴリズムを理解してプログラムを作成する、およびアプローチ手法の開発において、問題解決を学ぶといった事もするそうです。
 
ハンガリーのプログラミング教育は事細かく、その本質を理解して欲しいというカリキュラムのようでとても驚きです!!
 
 
学年別には
1~4年生では簡単なアルゴリズムを習得し
5~6年生では簡単なプログラムの実装、検証
7~8年生ではステップバイステップの計画手順
9年生以降では改良の原理まで学ぶそうです。
 
 
【海外事情第9弾】ハンガリー
上図はハンガリーの教育課程と年齢を表しているのですが、6歳から一連の学習が始まるわけです。
小学校一年生から始まって、着実にレベルアップしていくカリキュラム。
ハンガリーのプログラミング教育はしっかりとしていますね。
 
 
その目的(最終的に実現するもの)は何なのでしょうか。
 
「IT科目は関連する多くの領域をITの発展に合わせて取り扱う」
「課題解決の手法というITのテーマは、教育上の目的の中においても、主要能力であり、生活の諸相に表れてくるものであり、特別な扱いとするべきである」(一部抜粋原文)
としているようです。
 
ITの課題解決の手法が、教育での主要な立ち位置とハンガリー政府は確信して取り組んでいるようです。
 
また目標(直近の到達目標)としては
「21世紀の課題の1つに、生活を意識的かつ慎重に計画することがあげられる。(原文)
(裏返すと無計画にことを運ばない、人生をコントロールしようという感じでしょうか。)
 
人生の問題の本質的な部分及び、現実の問題をベースにした役割への適切な対処が、生活の質に影響を与える。(原文)
(根本的な問題や対処方法を知っていた方が、生活の質をあげるのではみたいな感じでしょうか)
 
この前提となる技能としての、適切なフレームワークおよびアルゴリズムの開発を、「問題解決のツールとテクニックとしてのIT」を通して身に付ける。(原文)
 
地域における生活を形成する私たちの仕事、家事、ボランティア、レジャー活動などは、問題解決を含む一連の意思決定によって構成されている。(原文)
(私たちの日々の決断が毎日を作っていると示しています)
 
問題の解決は生活のあらゆる領域にて行われており、学習者が様々なツールや手法を使って問題を解決することは言うまでもなく、これらの問題解決手法を現実の生活に適用する事にも価値がある」(原文)
 
 
前半をまとめると、
話を人々の生活レベルまで落とし込み、その中で重要なことが生活をコントロールする事、生活の質に影響を与える問題への対処法をITをとおして身に付ける。
 
他にもいろんな決断をしていると思うけど、いろんなツールや手法を知ってて、それで問題を解決できることには価値があるよね。
といった所でしょうか。
 
 
後半を見てみましょう。
「情報の獲得、蓄積、処理と言った各構成要素を個別に解決することは、別の問題を生じさせる。(原文)
(バラバラに解決だと上手くいかないのでは)
 
児童、生徒の一部が学習する「問題解決のツールとテクニックとしてのIT」は、論理的思考、アルゴリズム化、基本的なシーケンシャル及び制御プログラム機能を学び、実際にコンピュータプログラムを作成しテストする。(原文)
(そこで子供たちが学習する授業では手法を学び、実際にコンピュータプログラムを作成して実践してみる)
 
また、異なる分野の問題や現象をプログラムを用いて学びシミュレートし、様々なプログラムによって生成されたアルゴリズムの解釈において、および重大なアプローチの開発において、問題解決技能を学ぶことが、応用力を身に付ける後押しとなる。(原文)
(違う分野の問題をテストして、そこででてきた解決手段の解釈と、その手段へと至る道中である開発段階で、問題を解決するワザを学び、応用力を身に付けるきっかけにする)」
 
人生において通ずる「問題解決手法」をITを使った学びで効果的に学んで、その先に待ち受けている問題も解けるぐらいの力を身に付けていこう!
と、解釈できます。
 
 
ハンガリーのプログラミング教育は、現代社会を的確に把握してそれらに適応、応用させていけるような子供たちを育みたいという思いがうかがえるほど、カリキュラム内容が詳しく、内容が深いですね。
 
 
今回はハンガリーのプログラミン教育事情を解説しました。
 
 
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