プログラミングスキルが重要な時代になる!と、様々に議論されていますが、子供のうちからプログラミングを学ばせる事で、どのようなメリットがあるかまとめてみました。
■海外の動き
海外では、プログラミング教育についてどの程度力をいれているのでしょう。
アメリカでIT産業が盛んなカルフォルニア州では、意外なことに、カリキュラムにプログラミング教育は規定されていません。
しかしながら、民間企業が教育機関と連携して講師を派遣するなど、学区単位での取り組みは行われています。
イギリスでは2014年より小学校、中学校で必修となっています。
IT、コンピュータサイエンス、情報リテラシーで科目が構成されており、プログラミングは「コンピューターサイエンス」で学ぶようになっているそうです。
ただし、小学校での年間授業時間は30時間と短く、概要を知るにとどまっているようです。
ハンガリーでもイギリスと同じく、小・中学校でプログラミングの授業を実施しています。
小学生では、プログラミングの基礎となるアルゴリズムやプログラムの仕組みを学び、中学になると実際にプログラミングし、実施検証するなど、やや高度なカリキュラムを学べるそうです。
フランスでは、中学教育の数学の授業で、一部プログラミングが導入されています。
このように、海外でもプログラミング教育への意識は高く、子供のうちから学ばせようという動きが強いです。
これを受けて日本でもプログラミング教育の必修化が検討されているわけです。
■プログラミングを学ぶとどんなメリットがあるのか
一般的にプログラミング教育によって、論理的思考力や問題解決能力が養われるとされています。
私個人としてはこれに、「トライアンドエラーの姿勢」「観察力」「シミュレーション能力」「コミュニケーション力」を加えたいと思います。
まず、論理的思考とは、「こういう行動をとると、結果がこうなる」といったように、ロジカルに物事を考える力の事です。
ゲーム作りにおいては、「こんなゲームを作ろう!」と発想するときに、ただ漠然と取り組むと躓いてしまうので、
「どのような状態がゲームオーバーか」
「どのような状態がゲームクリアか」
「キャラクターにはどのような動きをさせると面白いか」
などと、ゲームの内容を出来るだけ細かく説明できるようにし、そのひとつひとつをプログラミングするため、論理的思考が養われるという訳です。
見本となるゲームや日々の参考になりそうな事を観察すると、視点が広がり、考え方に幅を持てたり、より正確な論理が作られる事になります。日常を観察する事が楽しくなるかもしれません。
そうした中、上手く動かない事象やバグが発生する事は多々あります。
これを「問題」として捉え、何がどうしてエラーになるのか、探る事でゲーム作りを進めていきます。
問題と向き合う事で、作りたいゲームの詳細やプログラミングの性質が学べるため、理解が深まり、より良いプログラムをくみ上げる力が身につきます。
問題を解決する事で、ゲームは完成するため、いろいろな事を試す「トライアンドエラーの姿勢」が生まれます。
パソコンはそうそう壊れるものではないので、試しながら結果を得て、成功に一歩一歩近づく事が出来ます。
このような経験をすると、次のゲーム(プロジェクト)と向き合う際に、「これはこういうゲーム(プロジェクト)だから、こうしたらいいな」という具合に、シミュレーションするう力が養われます。
シミュレーション能力は、社会でも大変重要なスキルで、どのような問題が起こり、どのように解決すべきか、計画段階で把握出来ておかなければ計画がとん挫する事もたびたびあります。
シミュレーション能力が身についていれば、先の事が見えるので仕事をスムーズにこなしたり、よりクオリティの高い成果物を作る事が出来るようになります。またシ、ミュレーションした事象はトライアンドエラーの姿勢によって、解決されていき、達成感ややりがいを生み出す事にも繋がります。
そしてコミュニケーション能力ですが、作ったゲームやプロジェクトは、誰かにプレイしてもらう事で、評価を得ます。
最初は、「これを作ったら絶対楽しい!」と思って進めるわけですが、作ったものが人に喜ばれるものであるかどうかは、実際にプレイしてもらうまで分かりません。
思い通りに楽しんでもらえれば、自分自身も嬉しくなるのですが、楽しんでもらえれば「どうしたら楽しめるのか?」という次のステージに進む事になります。
相手がどのようなモノを求めていて、何を提供すれば喜ぶのかを考える能力が、コミュニケーション能力だと思います。
多くの人を喜ばせる事が出来れば、社会でも価値のある人材として高い評価を受けます。
上記に示したような能力が、プログラミングを通して学べるのです。
それも子供のころから触れる事で、習得しやすく、当たり前のように考える力が身につく事を期待出来るのです。