近頃、5歳になる長男に買ったミニ四駆に、オトナである僕が興味を覚えまして、色々楽しんでいます。
ミニ四駆でも論理的思考は学べるなぁと感心しながら、自宅にコースまで作ってしまいました。
ただ丸いだけの簡単なコースですが。
GWも始まったので、沖縄でちゃんとしたコースはないか検索したところ、ありました。ありました。
新都心近くのコジマ電気にちゃんとした大会用コースがありました。
早速行ってみると、奥の方に立派なコースが!
息子も興奮しています。
人気はなく、高校生っぽい男子が一人いるのみ。
自由にコースは走らせていいようなので、我らのマシンを走らせてみました。
遅!笑えるほど遅い!!
原因は、すぐに分かりました。
電池です。ノロすぎてこれ以外に思いつかなかったので、電池を入れ替えることにしました。
すると、先にいた高校生が
「この電池使っていいよ」
と言ってなにやら黒っぽい電池を渡してくれました。
高校生が陣取っているテーブルには、何台かのミニ四駆や工具があったので玄人である事は一目瞭然でした。
玄人高校生が
「使ってみよ」
という電池を使わない手はありません。
早速、電池を借りて入れ替えました。
そして走らせると、、、
速!笑えるほど速い!!
なんと、速すぎてコースアウトしてしまいました!!
電池でこんなに変わるの!?
その疑問を晴らすべく、あらかじめ用意してきたダイソーの100円電池に入れ替えてもう一度走らせてみました。
おぉ、予想どうりの普通の速さ。
もし、玄人電池を先に使わずにダイソー電池を使っていたら、感心する速さではあったかもしれません。
先に玄人電池を使っちゃったからなぁ。もうダイソー電池に戻れないかも。
玄人高校生は、僕らから戻された電池を自分のマシンにつけると
当然のように、走らせました。すると、、
!!
!!!
速!!!速すぎる!!!!
ミニ四駆って、こんなに速いの?!ってくらい速いです。
速すぎるのに、コースアウトしません。
すげぇ、どういう事だ・・・
僕の疑問は顔に出ていたのでしょう。
「こういう素人には、慣れっこだぜ!」
という感じで玄人高校生は、解説を初めてくれました。
しかし、年間200冊の本に相当するであろう情報を仕入れている僕が、彼の解説がちんぷんかんぷです。
情報量が多すぎるのと、専門用語が多すぎです。
ミニ四駆って、そんなに情報量と専門用語が多いの!?
素人丸出して、分かったような分かってないような表情をしていたのでしょう。
彼は、トーンを落として簡潔にスピードとコースアウトについて説明してくれました。
スピードが速いと、遠心力やジャンプの高さが大きくなり、コースアウトしやすくなります。
そこで、カーブではよりスムーズに曲がれるように補強パーツが有効であり、ジャンプもしすぎないように重りをつけるのがいいようです。
スピードを求めつつ、重りをつけるというのはなんだか違和感があります。
重りをつけてバランスを取るという事は、スピードにも限界があるという事をさすのではないか?
そんな疑問を彼にぶつけてみると
ニヤリ
です。待ってましたと言わんばかり。
「重りは重心が変わるようにパーツをつけるのです。そのようなパーツが売ってますよ。」
そう言いながら、彼は自分のマシンの後部を見せてくれました。
そこには、上下に動くソロバンの玉ようなパーツが二つ、ついていました。
アルミでできているようです。
マシンが坂道で跳ねてジャンプをしてしまう時、マシンは空中で弧の動きをします。
上に向かっている時は、玉が下にあって重心を下げています。
これにより高く飛べないようになります。
弧のピークをすぎて、下に向かい始めると、玉が上に移動し重心を上にあげます。
これにより、着地を緩和するようです。
コースがある場所は、コジマ電気のおもちゃコーナーなのですぐ目の前にミニ四駆のパーツが売っています。
彼はオススメのパーツを僕らに紹介してくれ、初心者にはこれがいいだろうというのを一つ選んでもらいました。
早速、購入です。
購入したものの、取り付けには工具が必要。
そこは玄人高校生が貸してくれました。
息子と取り付けに奮闘していると、小学生が三人やってきました。
そして玄人高校生に、自分のマシンを解説し始めました。
彼らは顔見知りのようです。
それからすぐに、僕らのような親子連れがきて、お父さんが高校生に
「昨日、教えてもらったように取り付けてみたんだけど、うまくいかないんだよね。みてもらえますか?」
と聞いてきました。
僕は驚きました。
高校生は、まるでインストラクターです。
というか先生です。師匠です。老師です。
さっきまで一人だった彼の周りには、僕らも含めて人だかりができており、こぞって彼を捕まえようとしているではありませんか!!
彼のようなミニ四駆にはまっている高校生に対して、僕はちょっとおかしな奴くらいに思っていました。
もし、ミニ四駆を手にする事がなければ、以前、高校生(いや、先生)を偏見の眼差しでみていたと思います。
しかし、今や先生です。
先生のマシンを憧れの目でみている自分がいました。
先生のような人がこれからの社会では活躍すると思います。
彼はミニ四駆に熱中するあまり、他のことはおろそかにしている節があります。
ファッションは冴えない感じだし、寝癖ついているし、よく話す割に目を見てはくれません。
彼にとって、そういうことはどうでもいいのだと思います。
とにかく、速く走る事。その技術を余すところなく、人々に伝える事を心の底から楽しんでいます。
実際に僕は先生の手ほどきを受けて、ミニ四駆が楽しくなり、パーツまで購入しました。
おそらく、次の週末も先生に会えることを期待して、コジマ電気に行くでしょう。
先生のように、何かに没頭する事に憧れます。
そこに人が集まり、コミュニティを形成する事に憧れます。
先生が作った世界は、美しく楽しい世界でした。
ふと気になって先生に尋ねてみた事があります。
「やはり、なんども優勝されているんですか?」
先生のマシンは、ダントツで速く、コジマ電気のスタッフも一目置いている風でしたので、優勝常連者だと思ったわけです。
「いえいえいえ、全然ですよ」
先生の答えは、こうでした。
先生の上がいる?!
ミニ四駆、奥が深いぜ・・・
先生にも先生がいたのでしょう。
最初は、僕らのように教えを受ける側だったのだと思います。
先生もまた、先生に憧れてスピードを目指すうちに、先生になったのだと思います。
さて、この事をプログラミングに置き換えて考えてみます。
まず、子供達が、ミニ四駆のようにプログラミングに没頭出来る環境を与えてあげようと思いました。
実際に、今もやっていますが、一緒に取り組んであげて、肯定して行くという作業です。
さらにそれに加えて、先生が作品を作って見せて行くのもいいなと思いました。
それからコミュニティを作ろうと思いました。
スクールの中にコミュニティはすでにありますが、まだまだ先生のようなエコシステムはできていない気がしました。
お互いがお互いを刺激しあって、毎週毎週スピードをコンマ1秒でも速くして発表するようなエコシステム。
初心者には、慣れた人が手ほどきしてあげるエコシステムです。
先生対生徒という関係を超える必要がありそうです。
あと、気がついた事ですが、ミニ四駆でも論理的思考は学べます。
結構最適かもと思いました。
何もプログラミングが、崇高なものというわけではなさそうです。
ミニ四駆でも、プラモデルでも、Nintendo Switchでも、鬼ごっこでも、真剣に奥深く取り組めば、何かしらの学びになると思います。
無理やり学習に置き換えたりすると、ハードルが上がって子供達も取っつきにくい気がします。
プログラミングを遊びにしていきたいなと思いました。