2016年12月13日。
僕は、八重山商工高等学校で、講座と講話がある為、石垣島を訪れました。
12月だというのに、26度と暑い、暑い。
海に入る事も出来そうです。
八重山商工を有名にしたのは、2006年の春夏甲子園でしょう。
ちなみに日本で最も南にある高校だそうです。わーお。
高校を前に驚いたのは、その大きさです。(写真を撮らなかったのはうかつでした…)
正門をくぐると、広々と見渡しのいい中庭があり、池にはコイが泳いでいました。
高校にコイがいるなんて・・・
機械電気科、情報技術科、商業科の3つの学科があるそうですが、贅沢な広さです。
まずは校長先生に挨拶をと、校長室へ向かいます。
案内してくださったのは、末吉先生。
商業科の主任であり、なんと野球部の監督も務めてらっしゃいます。
末吉先生に紹介して頂いたのは、真栄田校長。
気さくな方で、話も上手いし聞くのも上手いので、始まる前から盛り上がりました。
真栄田校長のお話に、
「ITが今後重要になっていくのは分かるが、スマホばっかりみるのはいかがなものか。」
という懸念がありました。
スマホは便利なのですけど、その便利さが音楽やゲームなどを使い捨てのごとく消耗させていき、作り手も内容の薄いものを作りがちだと僕は考えています。
必要なのは、じっくりと自分の価値観を形成する事のように思います。
そのため、学校授業では勉強の大切さや深く考える事の大切さを伝える事を約束しました。
案内された視聴覚教室を訪れると、情報技術科の男子学生が数名、
「おはようございます!」
と、元気で気持ちのいい挨拶をくれました。これ大切ですね。
準備をし、最初の授業。
情報技術科と商業科情報ビジネスコースの2年生、合わせて53名がズラリと並んでいます。
彼らにとって意味のある時間にしようと気合をいれます。
切り出したのは、とてもおこがましいのですが僕の人生経験。
僕はこれまで10回の転職をしており、海外でも働いた経験がありますが、そうした上昇志向な話だけでなく、ブラック企業で過酷労働を経験した事や、オフィスを一つ潰した話や上司に騙された話など面白おかしく話しました。
これで高校生の心をキャッチ!
同時に、ITだと若くして役職を与えられたり、事業を任せられたりする業界の魅力も伝えていきます。
いい表情で高校生たちは聞いてくれました。こうした講話では、反応がある事がとても嬉しいのです。
学生の皆さんに進学か就職か質問したところ、概ね進学のようでした。
ちょっと社会の話は早いかなと思ったのですが、高校で学んでいる事、進学して学ぶ事を大切にしてもらいたいので、マネーゲームとしての資本主義社会でどう勝ち残るかを話します。
情報技術科の学生は、Javaを勉強しているそうなので、開発者として上流工程に携わるチャンスがあります。
情報ビジネス科の学生は、簿記を勉強するそうなので、BS・PL・CFを学び企業を正しく評価する事が出来るようになります。
僕は高校の時に勉強をしなかったので、彼らにはぜひ今学んでいる事を大切にしてほしいと願います。
それにしても、高校生のうちからJavaとか簿記とかすごいです。
午前の授業は講話で終わり、末吉先生の案内で八重山そば屋さんへ。
乗せて頂いた学校車は、新品の香り。
八重山商工50周年記念に、毎年学生を採用してくれる企業から寄付して頂いたそうです。卒業生の活躍が伺えるエピソードです。凄いです。
八重山そば美味しい。
午後の授業は、僕が小学生に教えているプログラミングの体験で、簡単なシューティングゲームを作ってもらいました。
スクラッチはプログラミングが苦手でも、簡単に出来るため、関心度を高められるいいツールです。
さすがに情報系の学生の皆さん習得が早く、1時間程度でゲームを作り上げました。
作ったゲームは、彼らの独創性をみたいのでアレンジしてもらいます。
キャラクターを変えたり、ゲーム性を変更したり、やりたいことを短い時間ですが試してもらいます。
みんな笑顔で熱心に取り組んでいる姿印象的で、楽しみながらも実は学びを深めているといういい流れが生まれました。
2つほどピックアップし、みんなの前で発表。
高校生らしい面白いゲームに仕上がり、ドッと笑いが起こりました。
この瞬間は、小学生でも大人でも楽しい時です。
発表も終わり、最後に10分、ITの今後とそれを担う学生の皆さんにお願いをしました。
ITは、今後AIやIoTなどの躍進で、生活を大きく変えていく事になります。
そう遠くない未来に行き過ぎる領域まで進むでしょう。生命のコントロールや人生のコントロールなどが、機械によってなされる可能性があります。
未来を作るのは、僕らであり彼らでもあります。
少しでもいい未来を作る為には、機械を使う側として誰をどのように喜ばせたいかを善意で考えるようにお願いしました。
お金儲けの為だけに働かないでくれと。仕事の意味を考えてくれと。
ここで約束の授業は終了。学生代表からの挨拶を頂き、いい時間を過ごしたなぁと悦に入っていたところ、情報技術科の松島先生より
「飛行機の時間まで、情報技術科の学生対象にもう一コマ出来ないか」
と相談がありました。これは大変光栄な事です。
飛行機の時間までは十分にあるので、やらせてもらう事になりまして、急きょアドリブで一コマ。
質疑応答の時間が無かったので、まずは学生の皆さんの質問に答えます。
Q1
「ディープラーニングってどうやって学べばいいんでしょう」
A1
「まずは調べるといいでしょう!チャットボットとか学びやすいようだよ!というか専門外でごめんね。調べる事も学びの第一歩です!」
Q2
「学生のうちにしておいた方がいい事はなんですか?」
A2
「図々しさを身に付けてください。いろいろな人を活用する為に学生のうちに図々しく動いてください。それはいい意味でとらえると挑戦にもなります。那覇市に来ることがあれば、ぜひ僕を図々しく活用してください。いつでもオフィスに来てください!」
Q3
「IT以外でしたいと思った仕事はありますか?」
A3
「今興味があるのは、児童プログラミング教育ですが、もう一つ気になるのは一次産業です。ITは道具なので、農業や漁業と掛け合わせて面白い事をしたいなと考えています。」
Q4
「高校卒業して就職しようと思うのですが、ここは見ておけ、というのはありますか?」
A4
「みなさんが就活の時に接触する企業人は人事の人である可能性が高いです。しかし、人事の人とは一緒に仕事をしません。だから会社の中にいる人に会うようにしてください。僕も人事でしたが、言葉巧みに皆さんにいい話をして魅了する事に人事は長けています。そこに惑わされず、現場に触れましょう。そして聞いてください。どのように成長した来たかを。成長できる企業には活用価値があります。」
Q5
「図々しさとありましたが、嫌われないように、社会をうまく渡り歩く秘訣を教えてください」
A5
「挨拶です。挨拶をしてください。きちんと挨拶出来れば嫌われません。あと約束は守る事。出来ない約束はしない事。」
質問にこのように答えさせて頂きましたが、偉そうですね。。。
こうした質問には、いろいろな答えがあると思うので、いろいろな大人の人と触れ合って、自分の価値観や考え方を形成してもらいたいです。
そして最後の最後に、マネーゲームと両輪であるやりがいゲームの話をしました。
やりがいゲームは成長した者の勝ちです。勝者は、山を登り通常見えない景色を見渡す事が出来るようになります。
そして、向こう側にある黄金を見つける事が出来るのです。
みんなに平等に与えられている山ですが、怠けてしまって山を登らない人が多いので気を付けよう、とそんな話をしました。
学生たちが早速、
「山登ってるかー」
と、キーワードを使ってくれていたのが嬉しかったです。成長意欲を感じました。
たった1日ですが、八重山商工の学生や先生達と向き合えた事で、勝手に仲間意識が芽生えてしまいました。
が、飛行機の時間は迫ります。名残惜しいのですが、学校を後にしました。
空港まで末吉先生に送っていただき、移動時間を短縮出来てとても感謝です。
八重山商工の皆様、最後まで、ありがとうございました!
また、お会いしましょう!!
後日先生から頂いた学生からの声
・この講話で自分が与えられた仕事だけをやっていたら、「ゲームの敗者」で、与えられた仕事以上の成果を出したら「ゲームの勝者」になれることが学べた。自分はゲームが好きなので、ゲームで例えてくれたのはとても分かりやすかったです。ゲームに負けるのはとても悔しいです。だから自分は、この社会というゲームに負けないように知識をつけたいです。
・初めて聞くことばかりで、すごく興味が湧いてきました。これから社会に出ていく私たちが勝つために沢山のことを教えていただいたので、高校卒業後の進路をもっとしっかり考えたいなと思います。
・私は今まで京都でホテルに関する勉強をしたくて専門学校への進学を考えていましたが、卒業して就職したときに、役に立たないと意味がないことを教わり、少し考え方が変わりました。
商工にいる間に簿記や情報処理はしっかり身につけて、企業研究をしっかりして進路を決めたいです。
今まで聞いたことのない話ばかりで、新鮮で納得できる部分も多かったです。ありがとうございました。