プログラミングを子供達に教えている企業は、全国的に増えているそうです。
彼らが、実感した学習効果について、こちらも総務省の資料にまとまっていたので抜粋してみます。

 

まず、総務省のアンケートには、以下のような項目に効果があったと感じるかと聞いています。
効果があった順に並べると、

 

1位—効果あり92%—新しいものを生み出す創造的な力
2位—効果あり88%—自ら学ぼうとする意欲
2位—効果あり88%—ものづくりの意欲
2位—効果あり88%—ものごとをやり遂げる粘り強さ
5位—効果あり80%—距離、量、回数、見込みなど数量的な感覚
5位—効果あり80%—論理的に物事を考える力
7位—効果あり76%—物事を計画的に行う力
8位—効果あり68%—ICTに関する基本的な知識
8位—効果あり68%—他人と協力する力
10位–効果あり64%—言葉を正確に理解し、使う力

 

という結果になりました。
ランキングすると、「言葉を正確に理解し、使う」能力は低めに見えますが、半数以上の企業が効果があると認めているので、軽視できないでしょう。

 

このような効果を特性別に整理した表がこちら。

 

プログラミングの特性とプログラミングに関する教育の効果

 

プログラミングを通して体験する一連のプロセスそれぞれに、何らかの学習効果があることが認められています。
しかしながら、民間企業のセールストークのような気がしないでもないので、有識者の意見と照らし合わせた表もみてみましょう。

 

プログラミングに関する教育がもたらす効果

 

こうしてみると、有識者も民間企業も学習効果については、ほぼ同じような見解を示しています。
そして注目すべきは、これらのスキルが21世紀型能力と合致しているという点です。

 

つまり、将来必要とされる能力が身につく事が示されているのです。

 

21 世紀型能力

 

しかし、有識者はこれらの効果を得ようとする教育は間違っていると指摘しています。
例えば、「ものづくりへの意欲」を効果的に得ようとするならば、プログラミングではなく工作でもいいかもしれないため、プログラミング学習の推進を阻害する可能性があるからです。

 

プログラミングは、学習において効果的な取り組みであることと同時に、学校現場での導入はまだ検討すべき項目があるようです。
効果についてわかってきたので、今後は育成手法についてみていきたいと思います。

 

 

以下に、効果があったとされる各項目の詳細をコピペしておきます。
これらの情報は、すべて総務省のレポートにまとまっています。

 

a.創造力の向上

プログラミングでは自由に作品を制作する課題を与えることが多いため、子供たちの作品制作を通じて、作りたいものを実現するという創造力が向上するとの意見が多く得られた。

 

・つくるものを統制せず、作りたいものを実現まで導くことで創造性を発揮できる。
・創造力がつく。作りたいものを作る、楽しむ、さらに作るという好循環が生まれる。
・同じテーマの中で他者との発想の違いを感じ、その上でアイデアを相乗的に膨らませて いく面白さや楽しさを体験できるため、子供の「共に創る力」を育む効果が大きい。
・小学校 3 年生から 6 年生までの間にプログラミングを経験させて、ゼロからものを作り 出す面白さを実感させることで創造性が伸びる。受講生徒の年齢が上がるにつれて、ゼロからものを作り出すという創造性は弱くなり、その場における正解を推測して答えを提示しようとする傾向が強まる。

 

 

b.学習意欲の向上

プログラミングは制作物の実行と結果の確認ができることから、その活動自体が子供たちにとって楽しいものであるため、子供は積極的に活動に取り組むこと、数学的な知識を体感しながら学べることから、学習意欲が向上するとの意見が得られた。
また、デバッグやトライアンドエラーを繰り返して作品を完成させるというプログラミ ングの作業特性から子供たちがプログラミングの様々なタイミングで気づきを得るため、 子供たちの忍耐力、集中力が持続し、学習意欲が向上するとの意見があった。

 

・ビジュアル言語では、未就学児や小学校低学年でも、2次元座標や角速度(回転)の概念がわかり、自分で思い通りにプログラミングする。
・プログラミングを利用することで、 教科書を機械的に覚えるのではなく、自分で動かして納得する、という学びができる。
・プログラミング自体に楽しさがあるため、学習意欲の向上が認められ、自ら取り組もうとする意欲が向上する。結果として、受験や試験のための勉強ではなく、課題解決や楽 しむための学びとなり、学習の意欲が根本的に変革できる。
・うまく動かない際のデバッグやしくみが分かった時の腑に落ちた感じなど、参加者それ ぞれのタイミングで色々な気づきや成長がある。
・トライアンドエラーを繰り返すことにより、忍耐力、集中力がつく。宿題だと 30分も集中できない子供が3時間集中できている。

 

 

c.課題解決能力(論理的な思考力、計画性等)の向上

フローチャートや仕様書の作成とそれらに基づきプログラミングするという過程で、俯瞰的に考えたり、時系列で考えたり、仕組みを考えるなどの合理的、論理的な思考が必要となるため、論理的な思考力や課題解決能力が向上するとの意見が得られた。

 

・可視化に優れ、見通しが立てやすいロボットを通して、「失敗をして、見通しをたててやりなおす」ことによって、論理的思考力を学ぶ。
・流れ図を用いることで、俯瞰的に時系列で物事を見ることができるようになる。
・手続き型言語を扱うため、順番の重要性が伝わる。
・論理的に物事を考える力が育つ。
・作りたいもの(仕様書)を具体的に再現する手段を考えることで、論理的な思考力の向上に繋がる。
・フローチャートを書けるようになるため、論理的思考力が伸びる。
・課題発見力や課題解決力が身につく。

 

 

d.表現力の向上

仕様書の作成やプログラミングの過程を通じて指導者や受講生同士で相談が必要になる。 子供が自分の考えを説明するという活動を通じて、表現力の向上が図られるとの意見があった。また、完成した作品の発表を通じて、子供のプレゼンテーション能力が図られるという意見が得られた。

 

・頭の中にあるイメージを紙に描くことで、仕様書ができ、それを元に作成すると、表現力の向上につながる。
・やりたいこと、知りたいこと、考えていることなどを、言葉で相手に伝える能力も身につく。
・作品の発表の場を通じて、子供たちの表現力、プレゼンテーション能力が向上する。

 

 

e.行動力の向上

プログラミングの過程で子供たち同士で相談したり、教えあい、学びあうことを通じて、 目的達成のために前に進む主体的な行動力が身につくとの指摘があった。

 

・子供たち同士で教え合うことを身に付け、受け身ではなく、主体的になり、行動力に繋がる。

 

 

f.情報利活用能力、プログラミングスキル、英語力の向上

プログラミングにおいて、テキスト型言語を取り扱う場合には、アルファベットや英単語に触れる機会があるため、英語力に好影響があるとの意見があった。 また、プログラミングの過程で、不明点を調べたり、既存のライブラリを利用するなどの作業を行う際にインターネットによる情報検索を行うため、情報検索能力の向上など、 情報利活用能力が向上するとの指摘があった。 また、プログラミングスキルそのものが向上するという意見があった。

 

・テキスト型言語を使っているため、ある程度は英語力にも良い影響がある。
・作業の過程や作品公開を行うことを通じて、情報モラルが身に付く。
・プログラミングスキルと言語力や検索力(情報利活用力)が向上する。
・アルファベットや英語に慣れる効果がある。

 

 

g.理科好きの育成

プログラミングは理科好きを育成する効果があるとの指摘があった。

 

・子供が科学を学ぶツールとしてプログラミングを活用できるようになる。
・理科が好きになる子供が増える。

 

 

h.卒業生の活躍

プログラミングを学んだ生徒が NPO の立ち上げ等で活躍し、また、理系の学校への進学実績があることなどの指摘があった。

 

・卒業生がプログラミングに関する教育の NPO を立ち上げたり、ワークショップを主催している。
・スクラッチカンファレンスに出席したり、スクラッチデイ東京のミーティングに参加す るなど、主体的に活動できる人材が育っている。
・卒業生が高等専門学校に進学したり、理系の進学校に進学するなど、高度な人材が育成できている。

 

 

i.その他

プログラミングの作業過程において、短時間でトライアンドエラーを行いやすいという特性があるため、繰り返し取り組むことが容易であり、これまでに挙げたような教育効果が生じやすいという意見があった。
また、プログラミングは芸術やスポーツと同様の活動だと捉えるべきであり、天才的なプログラマーを育成するためには、若年層から学ぶことが必要になるのではないかとの指摘があった。
プログラミングは、トライアンドエラーが早いため、成長速度が速い。
音楽等と同様に、天才的な域に到達するには子供のころから学ぶ必要がある。

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