ツクルでは、ゲームをプログラミングする事で学習を進めていますが学べる事は、ゲーム作りだけではありません。

実は、たくさんのスキルが身につくのですが、この事をどうやってお伝えしようかと調べているうちに、なんと総務省がまとめていたレポートを発見。

平成27年6⽉と去年のレポートなのですが、「プログラミング⼈材育成の在り⽅に関する調査研究 報告書」としてウェブで公開されていました。

プログラミング教育を行う43の団体にアンケートをとり、有識者からのヒアリングを行い、様々な側面からプログラミング人材育成について把握しようというレポートで、とても参考になります。

このうち、プログラミング学習の効果についての有識者の意見を取り上げてみたいと思います。

まず知っておくべき知識として、ヨーロッパの事例を見てみます。
ヨーロッパにある20カ国のうち12カ国は教育課程にプログラミングを導入しており、7カ国は導入を計画中なのですが、なぜプログラミング教育を実施しているのかという理由について、いくつかの学習効果がある事を認めています。

「論理的思考力の育成」
「コーディング・プログラミングスキルの育成」
を挙げる国は 15 か国。

「問題解決能力の育成」
は 14 か国。

「ICT 業界での雇用されるために必要な能力の育成」
「高等教育におけるコンピュータ科学専攻者の増加」
は 10 か国

「他のキーコンピテンシー(主要能力)の育成」は 8 か国となっているそうです。

プログラミングスキルだけでなく、論理的思考や問題解決能力が身につくと、ヨーロッパでは考えられている訳です。
また、ICT業界への積極的な人材輩出も伺えます。

日本の有識者へのヒアリングでも、プログラミング以外のスキルについて述べられています。
以下、

作業に対する結果がすぐにわかるため、子供の内発的な動機づけに優れている

反応がすぐに返ってくるため、取組に対する集中力、忍耐力などが身につく

将来、ICT を利活用していくための素養・リテラシーが身につく

自ら課題を発見し、取り組み、解決するという課題解決能力、試行錯誤をする力などが身につく

合理性や論理的認知を促進する

表現力や想像力、創造性が向上する

チームでの作業を行う場合には、協調性が育まれる

積極性が向上する

プログラミングに適性を見せる生徒がいるため、児童生徒の活躍の可能性が広がる

いい事づくし!
ツクルで学習している子供たちに当てはまる要素も多く、やってて良かったと思いました。

一方でプログラミング教育の評価方法については、課題を残したままです。

プログラミングに関する教育の評価手法については、現状では十分に検討されていないと考えられる。
プログラミングに関する教育の適切な評価を行うためには、プログラミングに関する教育の目的や育成する能力の定義を明確にする必要があるという有識者の意見が強かった。
教育の目的や育成する能力の定義を明確にしたうえで、評価指標や客観テストを作成し、有識者や関係者の間で検討し、実証を経て最適化していくことが期待される。

つまり、プログラミングの良さをきちんと評価していくのはこれからなので、今はその必要性をメッセージ化できていないという事になります。
教員や一般家庭でも、プログラミング教育の関心が高まらない原因がここにありそうです。
ここが遅れるのはまずいので、ツクルでも考え抜いていこうと思いました。

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