「論理的思考」という言葉が、当たり前のように使われるようになりました。
プログラミング教育でも、論理的思考が養われると言われています。
この、論理的思考という考え方はいったいどのようなものなのか、改めて考えてみたいと思います。
単純に論理的思考を説明すると、
「物事を順番立てて考えるチカラ。あるいは説明するチカラ。」
となります。
物事を順番立てて考えるとは、どのような事なのでしょう。
例えば、「歯を磨く」という行為を順番立てて考えてみます。
1.洗面所に行く
2.歯ブラシを手に取る
3.歯ブラシを濡らす
4.歯磨き粉を手に取る
5.歯磨き粉を歯ブラシにつける
6.歯磨き粉を元の位置に戻す
7.歯を磨く
8.口をゆすぐ
9.歯ブラシをゆすぐ
10.歯ブラシを元の位置に戻す
このように10段階で順番立てて説明する事が出来ました。
では次に、なぜ歯を磨かなければならないのかを考えてみます。
1.歯を磨かないとどうなるか
2.歯を磨かないと、虫歯になる
3.虫歯は、食事した後のカスが歯に付着している事で起こる
4.つまり、食事をするとカスが歯に付着する
5.なので、食事をしたあとは歯を磨く
なぜ食事のカスが虫歯の原因になるのかは割愛しましたが、このように説明できると思います。
日ごろの行為を改めて順番立てて説明してみると、理にかなっていて納得できるものになりました。
論理的に考える、という事は物事の要素分解を行い、正しい順番に並べ替えて納得できるものにする、という事です。
これをもう少し複雑な事象に照らし合わせてみます。
例えば、玄関の靴がいつも散らかっていて、なんとかキレイにするように保ちたいとします。
靴がいつも散らかっているのはなぜか?という課題の把握と、整理整頓して並べておくという解決方法の2段階で考える事が出来ます。
■なぜいつも散らかっているのか
1.履いていない靴が出ている
2.家に入るときに、無造作に脱いでいる
3.靴をしまう場所が散らかっている
4.靴をしまう行為にひと手間かかる
このような原因が見つかったとしますと、課題は2つ見えてきます。
課題1:靴箱が整理整頓されていないので、履いていない靴があったりしまうのにひと手間かかっている
課題2:無造作に脱いでも気にならない状態になっている
それぞれの課題を解決する為には、
■解決方法
1.いらない靴を捨て
2.靴箱をキレイにする事で、
3.玄関に余分なものが無い状態にし
4.よく使う靴は靴箱の手が届きやすい場所にしまうようにする
という方法がよさそうです。
また、玄関に靴をそろえるガイドラインなんかを引くと課題2も解決できるかもしれません(あくまでアイデアです)。
このように物事を整理して考える事で、課題解決にも繋がるのが論理的思考というわけです。
もっと複雑にはなりますが、仕事においてもこの考え方は重要で、正しい理解と正しい解決が出来る人材は重宝されます。
子どもは、直観的に理解しているケースが多いはずです。
歯を磨くのは、「磨かないといけないから」という理解だけかもしれませんが、虫歯の事を改めて認識すると、納得性が増し、その行為を自然とやるようになるかもしれません。
いろいろな事象を、要素分解して理解する考え方が身に着くと、かしこく振る舞う事が出来そうです。
子どものころから、物事を順番立てて考えるチカラを身に付ける事は、将来にもきっと役に立つはずです。