沖縄国際大学で寄付講座を行っていますが、その取り組みの中でいいエピソードが生まれたので、ご紹介します。

株式会社木立の三木さんが登壇された後の事です。
講義のあと、学生は内容をレポートにまとめて提出します。

初めて聞いたことや学びになった事を記載してもらうと共に、何がどう学びになったのか、感想を交えて書くようにしてもらっています。

三木さんの話を聞いた学生の一人が、このようなメッセージをレポートに記載していました。

 

□学生から三木さんへのメッセージ

今回の話を聞いて、とても熱量を夢に注いでいるなと感じました。

小さい頃からの夢で言えば、私はプロ野球選手になりたくて、ずっと野球をしていました。

今でも続けていますが、野球を職業にする事は実力的にも厳しそうです。

しかし、今は野球にすべての熱量を注いでいて、とても充実し楽しくて仕方ありません。

それを言い訳にしていいのか分かりませんが、将来の事が考えられません。

引退まであと半年ですが、それから考えるのは遅いですか?

また、野球をしてきたことに意味はなかったのでしょうか?

この講義を受けるたびに不安になります。

 

 

以上が、ある学生がレポートに記載したメッセージでした。

学生からのレポートは、すべて登壇者にも渡しているので、三木さんはすぐにこのメッセージに反応してくださいました。

そして、この学生へメッセージを届けてほしいと、僕に依頼してくださいました。

 

三木さんからのメッセージを下記に記しますが、その前に皆さんはこの学生にどのようなメッセージを投げかけますか?

彼の価値観に対して、どのように向き合いますか?

人それぞれ答えは違うと思います。だから社会は面白いのだと思います。

 

三木さんのメッセージは、以下のようなものでした。

 

 

□三木さんから学生へのメッセージ

大変素晴らしい学生生活をされているようです。

野球一筋で他が考えられない。ほどの熱量は大変素晴らしいと思います。

社会が求める人材とは、まさに比屋定君のような熱のある人間です。

熱中できることこそ全ての原動力になるはずです。

 

1つめの質問への応え

野球に熱中していることはとても意味があります。

その経験は決してマイナスにはなりません。

むしろ、自分を生涯支える経験です。是非続けてください。

但し、新しい価値観を得るには、時に大切な習慣をすてなければならない時もありますよ。

 

2つめの質問の応え

活動がとても遅い。と自分でも不安のようですね。

社会に出る準備や成長を自ら閉ざしていませんか。

おそらくご自身が一番知っているはずですが遅れには意味がないと思います。

熱中する人間は、時間も大切にしているはずです。

時間は有限だからこそ、同時に幾つものも大切な事柄に対応します。

比屋定君が遅れている今この時間にも、他の学生は前進しているのではないでしょうか。

自分に遅れが生じた時、マイナス1ではありません。

自分より勝る人たちのプラス分だけマイナスします。

その差はもっと開きます。

 

しかし、今さら焦ることはありません!

熱意のある人には必ず応援者が現れます。

夢や目標を掲げ、有言実行してください。

 

その行動は早ければ早いほど成功も早く、失敗しても何度でも取り返しがつきます。

 

学生という期間は自分の人生を初めて舵取りする最高の時間です。選択を楽しんでください。

 

素晴らしい未来をご祈念しております。

 

 

僕は、このやりとりが生まれた事が嬉しく頂いた内容を先生を通じて学生へと届けました。

そして後日、沖国を訪れた僕のもとへ、その学生が御礼に来てくれました。

 

「貴重な言葉でした。ありがとうございました。」

 

と。

学生が社会人に向けて、相談するという機会はなかなかありません。

学生と社会との接点は、採用活動や就職活動が主となっており、このような学生の声に真剣に耳を傾ける機会があまりないと思います。

 

寄付講座は、学校から謝金を頂いて開講している講座ではありません。

また、企業が場所代を支払って開講している訳でもありません。

互いに利益に関係なく、学生と向き合う為に取り組んでいる講座です。

 

ですので、今回のようなやりとりが生まれた事にすごく感動しました。

寄付講座を開講してよかったと思いました。

 

学生はもっと機会を活用していいし、社会人ももっと学生の声に耳を傾けていいと思います。

いずれ、社会という場所で一緒に働く仲間ですので。

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